Putin氏がStalin化して、北方領土返還はほぼ絶望、USAの対中戦略は?

佐藤優著「世界観」小学館新書。

北方2島返還の際に、日米安保適用外、米軍駐留無し、にすれば、

USA側が臍を曲げて、Chinaとの衝突に巻き込まれるのが嫌だから、

尖閣を安保の適用外にする恐れがある。

偏差値秀才型の外務官僚は、多くの事象が同時進行する複雑系としての

現代世界の動きを把握出来ず。

Obama政権の外交成果、南Sudan独立でChinaの石油利権を抑制、

Myanmarとの国交正常化でもChinaを牽制。

Saudi Arabiaとの疎遠化、Iranとの融和は、Islamic state対策だけど、失敗。

Trump氏が田中角栄型、経世会型政治家に近いと著者はは評価するけど、

拙者には違和感。

USAは、日露戦争後にOrange計画を立てて日本と叩き潰した様に、TPPを

手始めに、Chinaに対処する。(でもChinaは日本よりも遥かに手強い。Trump

政権のTPP離脱で、USAの対中戦略は混乱?)

野田政権がTPP参加方針を決めたのは、米中二股戦略放棄、東Asia共同体

参加断念、米帝国主義陣営残留、の意味。

(中共主導自由貿易RCEPへの参加は二股戦略への回帰だけど)

欧州連合EUの本質はGermany、France枢軸の欧州帝国。Russia正教は同性愛

公認反対。米露関係はObama政権下で冷戦後最低の状態に落ち込む。

(管見では、USA民主党の過度のRussia敵視は現実無視、恐露病。中共

の脅威を過小評価。地政学、現実主義者は、中共封じ込めのために、米露

接近を提案するけど、民主党は、その戦略がとれず、Trump氏攻撃に反Russia

思想を利用、Trump氏とRussiaが癒着した、との疑惑で政局を混乱させる愚劣)

Saudiが石油減産せず、石油価格を低迷させるのは、Islamic stateの石油

闇生産での収入を抑制するためだけど、Russiaはそれに巻き込まれて困る。

でもそれで日本が対Russia交渉で有利になることは無い。そんな甘いことは無い。

2015年、Russia首相は、China、Koreaを友人と呼び、日本を軽視。でも

露首相に対し、日本側が北方領土訪問中止要求したのは拙劣。

露首相には外交権限が無いから、冷静に対処するべき。

Putin大統領は、第二次大戦をめぐる歴史認識でStalin主義に回帰した。

Russiaに接近して中共を牽制の外交戦略が無効化した。

(2016年、日本側の譲歩で北方領土交渉が進展するかも、と著者は期待した

けど、外した)

USAの国家機密を曝露したSnowden元CIA職員は、Russia亡命を認められた

けど、Putin氏はSnowden元職員を軽蔑。(組織を裏切る人は駄目)