内田樹さんは宮台教授や宮崎哲弥さんに違和感、高橋源一郎さんや小田嶋隆さんに共感

「ためらいの倫理学」続き。
著者は、林道義教授のfeminism批判の多くに同意しなが
ら、自身は林氏の様に怒りでわなわなしつつ論争する戦略
をとらず、とする。

feminismは社会解体、反文明、野蛮への回帰。本来Jung
心理学者である林氏を、著者はintelli liberal ojisanとする。
(世間流には反feminism保守反動とされるけど)

著者は性の自己決定論者、宮台真司教授とは波長が不一致。
JK女子高生の生態に詳しい程度のことで、なんであんなに
威張るのか。不可解だ。

何でも知る、の態度をとる宮台氏に、著者は違和感。著者
には、知性の基本は、分らず、無知。知の限界を認識する。

現在の学生は飛ばし読みの習慣を過度に血肉化させ、漢字
能力を低下させた。怪しい仮説だけど、矛盾を無純と書く
学生に激しく動揺したとは興味深い。

責任は年長世代にある。宮崎哲弥さんは詰らず。宮崎氏に
は「とほほ」が無い。高橋源一郎さんや小田嶋隆さんには
ある。

宮崎氏が無垢で無力な存在として自身を提示するのに感心
せず。権威ある父になことに失敗したのがとほほ人。
(それが言論人として適任?)

著者は、己れの正しさを雄弁に主張する知性よりも、己
れの愚かさを吟味する知性の方を好む。

どうして藤岡信勝さんの様な人が東大教授になるのか、
ある種の思想運動(反左翼教科書作り)の指導者になること
が出来るのか、著者は不思議に感じた。

内田樹著「態度が悪くてすみません」
自分について知りたいことは、他人を経由してのみ知られる。

人は嘘をつく時、確信が無いことを告げる時に、早口になる。
嘘や芝居の台詞には身体が欠ける。

表現が滑らかで平板になる。意味は分るけど、響かず。
(竹下元総理は、言語明瞭意味不明を自称したけど)

太宰治は「如是我聞」を、原稿作成、それを丸暗記した上で
口述筆記させた。

現代人は不定形の感情の、ややこしい腑分け作業を避け、
多重人格になる。USAの覇権国化は歴史の必然にあらず。

「靖国問題」等で知られる哲学者高橋
哲哉教授の説を紹介しながら、氏の過激な左翼思想には
ついて行かれず、とする。