日本の戦前知識人には、高貴者の義務精神や、必敗の戦争

石破茂、西尾幹二著「坐シテ死セズ」
恒文社21,03年9月。

右派論客と当時の防衛庁長官との対談。57年生れ
の石破氏は、10年前後年調の団塊世代への違和感
を表明。

理詰めの政治論を貫くことが出来ず、突然感情論
に飛躍、理解不能だ、と。

西尾氏は、戦後日本の吉田茂Doctrineを批判。
平和憲法を盾に、再軍備要求を値切り、経済力強化
する方針は、対米劣等感と復讐心(ルサンチマン)
の奇妙な組み合せとに発したもの。

政治外交軍事経済の4要素を均衡させる、国家の
あるべき姿から逸脱した。

石破氏は、日本には論理性、客観性、歴史に学ぶ
姿勢、先の大戦への反省が不足、とする。

氏は、徴兵制に関して、日本も承認した国際人権
規約の例外規定を適用すれば、緊急時に発動する
ことは可能とする。
憲法を根拠にした徴兵制否定論は甘い?

西尾氏は、湾岸戦争時、USAで志願兵が殺到した
との話に、負けた、と感じたとのこと。

氏は、9・11攻撃を、日本の特攻隊と類比する言論
(国内では立花隆さん)に反撥。

第一次大戦で、日本が局地戦に勝利して多くの利権
を得たけど、英米はそのくり返しを避けるために、
戦争の基礎空を変更。

でも日本はそれを呑みこまずに、同じやり方で第二
次大戦に突入、それが破滅の一因だとする。

石破氏は、平間元防大教授を援用して、太平洋戦争
時、USA大学生は高貴者の義務の精神で、率先して
参戦したのに、日本の大学生にはそれが不足した
ことへの疑問を表明。

西尾氏は、ひ弱な大正教養主義に、必敗の対米戦争
を阻止する能力が欠けたことを批判。

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