19世紀英国自由主義は印度を隷属させ、冷戦後USA新自由主義は日本を叩きのめした

佐藤優著「世界史の極意」NHK出版新書。

著者は、類比Analogyとしての歴史を強調。右翼
主流派は物語Storyとしての歴史History(His story
はいんちき語源説)を強調するのと一線を画す。

元神学Theologyの徒たる著者は、神学の基本の方法
はAnalogyだとし、その方法を歴史に適用する。

今の知識人は、Analogyを駆使して大きな物語を作り、
Hate speechの様ないんちきなものを封じ込めるべきだ。

安倍政権はAnalogy思考が不足する。だから副総理が
Naziの手口に学べなどと問題発言して、国際社会から
孤立する、と著者は批判。

著者はLenin帝国主義論を援用、19世紀から20世紀に
かけての、自由主義から帝国主義への流れが、20世紀
終盤から21世紀にかけて再現したとする。

19世紀英国は、産業革命により、それ以前の国家介入
型重商主義から脱却。

近代工業で大量生産したものを大量輸出、押売りする
ための自由主義自由貿易に移行。

でも繊維工業で成功した英国は重化学工業への移行が
うまく進まず、Germanyの追上げを許し、1870年あたり
に帝国主義、複数勢力による闘争状況に移行。

そして2度の世界大戦による大破綻に陥る。戦後資本主
義諸国は、社会主義の脅威から体制を守るために国家
介入強化。

ただし著者はこれ(福祉国家)を新重商主義と呼ばず、
Marx主義流に国家独占資本主義とする。

冷戦終了、Soviet社会主義崩壊で、USAは新自由主義化。
金融の力で日本を2流国に叩き落とした。でも08年
Lehman危機で破綻、新帝国主義に移行。

でも現在重要なのは、帝国主義から世界大戦、の流れ
の再現を阻止することだ。

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