百田尚樹著「戦争と平和」新潮新書、17年8月。
日本零式戦闘機は、性能優秀でも製造に手間と
時間がかかる。
一対一の戦闘に強いけど、防御が弱い。軽量化
のために壊れやすい。
島国日本では城壁都市が発達せず、武士は盾を
持たず、戦争思想が抑制された。
大陸では古代から、敵軍皆殺し、非戦闘員住民
虐殺、が戦争のやり方とされた。
でも著者は、壊憲で緊急事態条項(戒厳令、非
常時、戦時に憲法や通常法を停止する規定)を
導入せよ、の意見。
日本の言霊思想(言葉(言霊)を口に出せば
それが実現する)に苦言。
不吉な言葉を口にすればそれが実現する、だ
から不吉なことを避けるには別の言葉で代替す
るとか、不吉なことがを封じ込めれば良い、
それは安直だ?
日本軍艦もやはり防禦軽視。専門修理要員を配
置せず、構造の面でも脆弱。
「ガダルカナル」奪回戦は、航空戦の見地から
しても愚劣なもの。
出撃地からの移動距離が長すぎ、途中でかなり
の数の機が、操縦士の疲労や燃料不足の故に墜
落した。
この愚かさは現在のBlack企業の従業員酷使に
も通ずる、と。
日本軍の変な戦闘思想は、連射式自動小銃開発
を怠り、明治38年式単発銃を使用し続けたこと
にも反映された。
零戦を工場から飛行場に移動させるのに、部品
一式を牛車に載せた。途中の道を舗装せず。
日本軍の捕虜禁止令を、単純に反人道性の見地
から批判するよりも、日本の変な戦闘思想と
合せて見るのが良いと感ずる。
上に甘く下に厳しいのが日本軍の体質。Imphal
作戦大量死の牟田口元中将、Midway惨敗の南雲
元中将、捕虜になり機密文書を敵に渡した福留
元中将ら、失敗しても責任を取らず。
これは戦後日本官僚の、Bubble崩壊の責任を大
蔵、財務官僚に取らせぬあり方に継承される。
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