近代流出世主義から相互利益追求に転換、強者追従を止めるべし

岸田秀さん流には、日本は近代西洋文明(黒船)に
強姦された。洗脳されたとの見方も成り立つ。

日本は西洋が主導する近代文明病に感染した。西洋
先進国の真似をして発展し、西洋を頂点にした国際
社会で出世することが有利であり正義だとされた。

個人に関しても、近代社会では、前近代の世襲身分
制が否定され、立身出世が認められたので、勤労
勤勉の態度が普及した。

近代工業中心社会では、努力勤勉が多くの割合で
出世と直結した。

20世紀終盤にSoviet社会主義体制が崩壊し、USA型
Global資本主義、金融帝国主義が勝利して、情況が
変化した。

日本を含めた先進国で工業空洞化、貧富格差拡大、
出世困難化。

現在必要なのは、状況変化を認め、脱洗脳すること。
Soviet崩壊、冷戦終結から10年程度は、USAが唯一
の国際超大国であるかに見えた。

しかし21世紀に入ると、USA一極支配が早くも破綻。
複数の帝国主義勢力が闘争する状況に移行。

帝国主義国は、他国を見下しながら、自らが絶対の
正義だと主張し、他国を屈服させる作戦を展開。
S Koreaも、日本に対しては帝国主義対応。

ここで重要になるのがIT,Net技術による関係自由化。
相手選択の自由。

どの相手と関係を結ぶか、あるいは没交渉になるか
の選択。

京写、強国に追随して利益のおこぼれを求めるより
も、対等な、相互利益の関係を結ぶことのできる
相手を選ぶ。

近くの他人よりも遠くの友、地理上の距離よりも
心理上の距離の方が重要。不仲な隣国との関係に
無理に固執することは無い。

近代国民国家は欧州限定、普遍性不足でGlobal資本主義に敗北した。

近代国民国家はなぜGlobalismに敗北したか。
近代国家、近代政治、近代市民思想は欧州の、
欧州による、欧州のためのもの。

人類普遍性無し。西洋基督教が普遍性持たぬ
のと同様。

欧州は、国際男女平等度順位発表とか、国連を
通じた事業とかで、欧州近代理念の優越性を
宣伝し、国際社会に広める工作をする。

日本とかの非欧州は、こんなに順位が下で、
遅れる、劣る、悔しいなら欧州を手本にして
欧州を真似しろ、と洗脳する。

近代国民国家体制は、古代Roma帝国による欧州
統合の栄光への復帰が挫折、近代宗教戦争に見ら
れる様に、基督教の権威が限界、の状況に対処
するための仕組み。

欧州から見た「新世界」植民地発見に対応。

古代文明秩序では、宗教権威を戴きつつ、貴族
や武士階級が、農民ら労働者階級を支配し搾取
する体制を、近代には拡大再生産された。

近代国家を頂く欧州諸民族(言語や文化により
分割された)が、非欧州植民地を支配し搾取する
体制に移行した。

古代宗教権威が近代国家、近代政治思想に移行し、
古代貴族が近代欧州市民になり、古代労働者は
植民地住民に。

近代欧州諸国は植民地獲得競争をしながら、相互
の直接闘争、戦争を抑制することを暗黙の了解に
したけど、20世紀欧州(第一次)大戦でそれが破綻。

新大陸、新世界国家、欧州系移民が建てた分家国
USAに国際覇権を譲り渡した。

欧州は懲りずに、近代宗教改革発祥地Germanyと、
基督教会総本山を領域内に持つItalyが枢軸連合を
形成

(日本はこれらと三国同盟を結成したけど、地理上
大きく離れた日本が厳密な意味で枢軸国に含まれる
ことは無い)

して第2次大戦で敗者復活を試みたけれど、やはり
敗北。2次大戦後、欧州植民地主義は崩壊。

戦後欧州は旧植民地から移民を受け入れ、国民国家
を侵蝕させる自滅の道を進む。

欧州は自らの理念の勝利だと暫くはごまかしたけど、
2010年代から破綻状態が露呈。

国民国家が逆襲するには、USA型Global資本主義を
超える人類普遍の理念制度を設定し、その下に諸国
家が並列するあり方に移行することが必要。

日本としても天皇制独自制度死守、ではGlobalism
に勝つことは出来ず。

安倍支持右翼諸君、民主党前政権が悪夢なら、太平洋戦争は何ですか。

日本民主党前政権は悪夢、自眠党大会で党総裁兼
総理安倍君が発言して物議。

信者は拍手し、野党は反発。歴史に無知なNet右翼
は、日本民主党を左翼(パヨク)と誤認し罵倒、
自眠右翼安倍君を保守と誤認し讃美。

しかし歴史周期で見れば、民主党前政権は、第二次
太平洋戦争。

東條英機ら軍部が乱暴なやり方で試みたことを、
遥かに穏やかに、武力を使用せずに、外交で試みた。

鳩山由元総理は、Cosmopolitan宇宙人にしてNationalist.
日本民主党の主力は田中角栄系、経世会系。対米従属
過剰状態は問題との意識を持ち、抵抗、状況緩和を試みた。

でも霞が関官僚の大半が非強力、国内総力戦体制が
とれず、惨敗。

自眠党清和会や安倍君は国内外でNationalistとして
批判されることがあるけど、実際は非Nationalist、
Globalism追従者。

第二次大戦で、日本軍国主義Nationalistを、USAを
筆頭にしたGlobalist連合国が撃破したのと同じ構図。

日本軍国主義をFascismなどと呼ぶ、見当外れのいんちき
言説にだまされては判断を誤る。

今の日本世論の混乱状況は、分析が苦手で印象操作、
感情操作や誘導に弱い日本人の弱点の反映。

これが日本民主化の阻害要因の一つ。権力側の問題は
大きいけど、一般国民側の問題も無視し難い。

日本社会を成熟させ民主化させるには、日本人が分析力
や論理力を向上させねばならず。


多様性概念を、既成秩序破壊に悪用するな、商業市場で適切な関係生成することが重要

最近の、社会に関する議論で、多様性がもてはやされる
ことが多いけど、注意が必要。

多様性そのものは善にあらず、多様性を前提に、その中
で適切な、善の、相互利益の関係が、可能な限り多く
形成され、混乱を極小化させる状態を作り出すことが、

管見では、生態系を応用した見立てでは、望ましき社会
のあり方。適切な関係無き多様性は混乱であり悪である。

農村型共同体社会では、関係や多様性や各人の個性が
抑制され、没個性化した。権力支配は抑制された。

古代文明社会、権力社会では多様性がある程度認めら
れたにしても、序列、差別が肯定され、関係が抑制された。

現代の左翼反国家主義者は、多様性が重要だと主張し
ながら、多様性概念を、既成秩序批判破壊のために誤用
悪用するのでは、と拙者は疑念を持つ。

日本の戦後平和主義者は平和概念を誤用し、平和を
目的化したけど、平和は前提条件として重要である
にしても、平和を目的化するのは誤り。

多様性も、やはり目的化するのは誤り。誤用を
慎まねばならず。

現在の人類は、農業革命、工業(近代産業)革命
に次ぐ第三次産業革命、商業化革命の段階。

商業は勿論、古くから存在したけど、20世紀終盤
以降のInternet化、情報通信IT技術革命は、商業
の質や意味を変化させつつある。

近代型の工場大量生産に合致した、大資本型商業
から、各人の個性を生かし、世の中の多様性を増進
させる新代商業へ。

序列の論理で、川上から川下へ物資を流通させる
従来商業から、個性をうまく活かし、相互利益を
達成する人間関係を清算する商業へ。

機械化、自動生産が徹底する新代社会では、人の
生活で重用なのは、対人関係なる抽象物を生産す
ること。

対人関係をうまく生成するために必要な技術が
新代商業文化、自然を相手にする農業文化や、
貴族文化、祭りの文化などの消費文化よりも
進化した新文化。

日本式経営否定の構造改革は、思想改悪、儒教流利己主義や無責任を蔓延させた。

近世末、日本は黒船に強制開国させられ、重大な
外交敗戦を喫した。

日本はそれでも、技術面で負けただけ、精神面、
思想面では敗北せず、として和魂洋才なる屁
理屈を建前として掲げた。

西洋近代技術を輸入模倣しながらも、日本伝統
思想を維持する、と。

しかし日本の島国思想やGalapagos武士道では、
勝つためには手段選ばず、の大陸文明に対抗不能。

そこで明治政府は、官僚機能強化、家父長主義
強化、等儒教文明の要素を借用した。

近代日本軍国主義は、第2次大戦敗北で重大な挫折
を喫したけど、日本は問題を軍部や軍国主義に
限定し、官僚体制を維持した。

戦後国際冷戦の御蔭で、日本は産業復興、発展に
成功。でも冷戦終結で暗転。

Bubble景気崩壊、長期不況。今度は企業経営が
問題、敗因だとされた。

会社に共同体の要素を持たせ、従業員に配慮する
日本式経営は非効率として否定され、企業を利潤
追求の道具とする思想を中核としたUSA流企業経営
が国際標準であり手本だとされた。

構造改革。でも日本企業がUSA流合理主義経営に
移行するのは困難、儒教流利己主義が日本企業に
蔓延した。

儲けのためには品質や表示を偽装する、社会全体
の安定を無視し、社員を虐め、給料を出し渋り、
差別する。

権力全般の問題としては、責任Responsibility
の国際標準思想を拒否。

Responsibilityは、自身の行動の結果、予期
せぬ不利益不都合が生じた際、それにうまく
対応Responseし、損害を極小化する能力。

でも今の日本の権力者らは、問題が生じても、
有耶無耶化や責任転嫁、責任逃れ、無能を認め
て地位を退くことは稀で、地位に居座る。

選挙制は本来民主主義と無関係、軍隊は民主主義と矛盾、とLummis元教授。

Lummis著「経済成長がなければ私たちは豊かに
なれないのだろうか」

Economyは、本来家計、権力を持たざる家族が、
限られた物資を節約しやりくりしながら生活する
こと。

現在でも航空機で廉価、費用節約席がEconomyと
呼ばれる。

でも近代では、Economy概念が歪曲され、国家
経済が捏造され、物資有限性の問題が無視された。

生産力、生産量(資本主義では生産物の貨幣価値)
を効率よく増大させることが経済(経済成長)だと
された。

それを研究するのが経済学とされた。著者は、
かねだけのための仕事や世界を悪くする仕事を
減らすことを「対抗発展」だとするけど、これに
経済概念を適用することも可能と見られる。

環境を破壊し、各人の幸福追求に矛盾する仕事
を節約することを新代の経済にするのが良い。
各人の個性適性と不一致な仕事を節約する。

著者は、交換価値、市場価値を減らして物品の
使用価値を再評価せよと述べるけれど、この点
は疑問。

拙者流には、近代資本主義体制下で歪められた
市場での不等価交換を、等価交換に近づけること
が重要。

著者は近代代表民主主義、間接民主主義に疑問を
提示。議会政治、選挙制は導入して暫くは民主主
義と別物とされた。

1780年代、USA憲法草案で、王政、貴族政とは別
との非民主主義として共和政、選挙制が提案された。

制限選挙から普通選挙に移行して、選挙制が民主
主義とされたけど、民主主義として認められるの
は籤による抽選、が著者の見解。

選挙民主主義とともに、機会の平等の思想が
導入された。

王制や天皇制と民主主義が矛盾するとの説が一部
にあるけど、著者は軍隊と民主主義が矛盾すると
の説を述べる。

軍部独裁、軍政にならずとも、独裁型組織の軍を
国内に存在させることは、民主主義に反する、と。

著者は民主主義の別の条件として、政治に関する
議論をするための余暇、自由時間が必要だとし、
それを持たぬ者が奴隷だとする。