「世界史の極意」続き。
著者は、Marx資本論を援用、資本主義の中核は
労働力商品化だとする。
賃金決定の3要素は、Marx流には、1に、労働者が体
力を維持するための費用。
2に、労働者が家庭を維持する費用。3に、労働者が
技術革新に合せて知識を獲得するための費用。
要するに費用Costの積み上げ、市場原理は無関係。
だから労働者は基本として最低限の給料しか受取れ
ず、搾取される。
蛇足するに、現代のGlobal資本家は、女権主義と結託
するなどして、家庭維持の費用を節約し、搾取を強化
する。
労働者が、搾取を受けずに正当な賃金を獲得するには
どうすれば良いかの課題に対して、Soviet型社会主義
共産主義は、国家による強制労働が、資本家による
搾取よりも労働者のためになる、の倒錯。
資本家による過剰搾取で社会の資金循環が歪み、それ
が限界に達すると破綻して経済恐慌になる。
強硬で混乱が生じ、多くの資本家たちは過剰利潤を吹
き飛ばされるにしても、権力構造の基本が変更される
ことは無い。
20世紀国際覇権国USAは、朝鮮戦、Vietnam戦、湾岸戦、
Iraq戦と、15年程度の間隔で戦争をくり返し、浪費で
恐慌を抑制した。
Iraq戦争から15年以上が経過した現在、気持ち悪い
面が無いことも無い。
現Trump政権が、戦争のやり方を外交戦や貿易戦、
情報戦に変更し、軍事戦を抑止すると期待したい。
労働力商品化を主導したのは、麦作農地を潰し、牧場
に変更し、羊毛毛織物工業を発達させ、元農民らを
工場労働者化して搾取した英国。
でもMarx流歴史観は、搾取の元凶が何かを見破ること
が出来ず。
近代産業化の歴史過程を全否定して農業時代に
回帰することも出来ず、頓珍漢な処方箋を出して失敗。
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